中小企業に必要な「従業員のリスクに備える保険」

従業員のリスクとは、従業員の労働災害(業務上の事故などによるケガ・病気・障害・死亡)について、企業が補償金や損害賠償金などを負担するリスクです。

多くの経営者・管理職の方は、「労働災害は、政府労災に入っているから大丈夫」と思っているかもしれません。
確かに政府労災から業務災害に起因する治療費や休業補償、死亡・障害について給付金が支払われますが、その給付金額は決して十分な補償とは言えません。

万が一死亡事故や重度の後遺障害を追うような業務災害事故が発生したとしたら、その後の訴訟リスクなども含めて、企業は多額の費用負担を追うこととなり、最悪の場合経営が傾く可能性もあります。

実際の損害額は、事業内容によって様々ですが、以下のような具体例を挙げてみたいと思います。

CASE
2023年の春、ある建設現場で高所作業中に従業員が誤って転落して重度の後遺障害を負いました。調査の結果、安全帯の着用が不徹底だったことが発覚し、従業員は会社に対して安全配慮義務違反等を理由に7000万円の損害賠償請求をしました。
これにより会社は、賠償金だけでなく、訴訟費用の負担、さらに裁判が長期化したことにより他の従業員の士気低下や風評被害などの目に見えない損失も発生しました。

こうした従業員のリスクに対応する保険として、業務災害保険があります。
※保険会社によって商品名称が異なったり、別のタイプの保険で補償できる場合もあります。

業務災害保険について
従業員(アルバイトやパートタイマー等を含みます。)が労働災害を被った場合に、企業が補償金を負担することによって被る損害を補償します。また、従業員の労働災害に起因して企業が安全配慮義務違反等による損害賠償責任を負担したことにより被る損害を補償する「使用者賠償責任補償特約」を付帯することが出来ます。

また、最近では就業中のケガ(労働災害)だけでなく、従業員の病気入院を支払える特約も登場し、福利厚生の充実を図るための幅広いカバーが可能です。

もしもあなたの会社の従業員が労働災害に遭った場合、その損失は企業にとって非常に大きなものとなります。万が一の被害に備えて、しっかり事前対策を取るために業務災害保険は欠かせない存在です。

保険は目に見えない商品です。
車であれば試乗したり、洋服であれば試着することが出来ますが、保険はそうすることができません。
万が一の際に困らないように、加入検討する際には信頼できる保険の専門家に相談されることをお勧めします。

投稿者プロフィール

大和親英
大和親英代表取締役社長
大学時代は勉強はほどほどに済ませ、バックパッカー(海外貧乏一人旅)を、卒業後は父と同じ保険業界に足を踏み入れ、過酷なノルマに追われて過ごす。社会の厳しさを体験しつつも、保険を通して「人とふれあう営業」の喜びとやりがいを感じるようになりました。